「不自由人は,自分で自らを不自由にしている.
夜や週末の時間を平日の仕事の憂さ晴らしに使ってしまっている.
その貴重な時間を使って,自由な人間になる計画を練る
なんてことは考えもしない.
人生を見つめ直して,再構築するなんていうことに
頭がまわらないんだ.
もう少し,やる気のある連中は,簿記を習ったり,
コンピュータを勉強したりしている.
でも,彼らも,自分の努力は,
より優秀な不自由人になるための
トレーニングにすぎないことを知らない.」
「なんか,話を聞いていると切ないですね」
「私もそう思う.でも,実は,彼らが望んでいることなのだ.
自分を変革する面倒な作業よりも,
日々の生活に追われるほうがいいのだ.
その証拠に,そこから出たいと真剣に思った連中は,
自分に向き合い,
人生を変えている.私は,たくさんそういう連中を
助けてきたのでよくわかる.
その人が真剣に人生を変えようと決めるまでは,
何も変わらないのだよ.」
P54-5『ユダヤ人大富豪の教え』本田健