「コープ」と「コンドミニアム」の違い
ニューヨークで引っ越ししようと考えStreetEasyなど調べていると必ず出てくる、「コープ」coopと「コンドミニアム」condo。
ざっくり理解したい方は
「コープ」coop:
- 入居審査が厳しい
- 使用条件(第三者への部屋貸し)などに制約がたくさんつく
- 古めのマンションに多い(ex,ダコタハウス)
「コンドミニアム」condo:
- そんな制約ない
- コープに比べて高め
- 新築マンションなどで一般的
2つの大きな違いはの区分所有の形態です。
◆マドンナでも入居審査に落ちる「コープ」
ニューヨークには、アパート管理組合(ボード)による入居審査及び面談にパスしなければ入居が許可されないコープと呼ばれる分譲アパートが多い。なかでも。ダコタハウスはその入居審査が極めて厳しいアパートとして知られている。年収その他いろいろな条件があるようだが、ただお金があれば入れるというわけでもない。これまでにも、マドンナやポールマッカートニー、ビリー・ジョエルなど、お金には全く困っていないセレブも入居を断られたというのであるから、いかに格式が高く審査が厳しいかが伺われる。
コープは「Cooperative Apartment」の略で、ビルまるごと管理組合とシェアホルダーによって構成される非営利法人。コープの所有者に部屋の所有権はなく、部屋の大きさに応じた割合の株式を取得して、居住権を有することになる。会社の株を持つイメージ。でその株は買いたいと言っても審査があり、なかなか買えない。
コープは、マンハッタンを中心にクイーンズ、ブルックリン地区などいたるところで数多く存在しており、マンハッタンでは中古住宅の70%がコープだと言われる。
コープの歴史は1800年代半ばまでさかのぼり、当時はホームクラブと呼ばれており、所有形態よりも社交的な意味合いが強かったそうです。その名残もあってか、コープの購入希望者は管理組合による厳正な審査をパスしなければなりません。特にセントラルパーク付近やアッパーイーストの高級コープでは審査が厳しく、職歴、推薦状、資産残高など多くの書類を提出し、面接が行なわれます。
審査基準はコープによって異なりますが、重要なのは「月々の管理費を問題なく払えるか」という金銭面と、「隣人としてふさわしいか」という品格面です。
そのため、有名セレブでもマスコミがビルに押し寄せる可能性があるということで審査に落ちることもあります。また外国人という理由で審査に落ちる可能性もありますがこの審査基準は明示する必要がないため、落ちても理由を開示されない場合が多いです。1980年代には数多くの賃貸ビルがコープに転換されましたが、その中には比較的審査が簡単なビルディングもあります。
◆コープの進化系「コンドップ」は賃貸しやすい
投資家が一番気をつけるべき点はコープはルールが非常に厳しいということです。基本的にコープ所有者のほとんどが自己使用目的のため、賃貸ができなかったり、可能であってもルールが厳しく設定されています。またセカンドハウス使用や両親から子供へ譲渡する形の売買も禁止されていることがあります。
コープの所有者は不動産を所有しているわけではないため、個別に固定資産税を払うことはありません。毎月支払うメンテナンス(共益費)費の中に固定資産税が含まれています。メンテナンスのうち固定資産税の割合がどの程度かはビルによって異なるので、確定申告の際には確認が必要です。
このように、制約が多いことからコープという形式は80年代以降の新築はほとんどなく、それ以前に建てられたビルのみでした。
ただ、近年では「コンドップ」と呼ばれる新しいタイプのコープが見られることがあります。コンドップとは、所有形態はコープですが、賃貸などビルのルールはコンドに近い、賃貸しやすい形となっています。コンドよりも値段が安く賃貸もしやすいことから投資家でも購入される方がいますが、これは借地権の場合が多いので、ビルのルールと土地の賃貸契約の詳細を確認する必要があります。